サウンドの個性ってどこから?
- fumisound
- 1月31日
- 読了時間: 4分

みなさん、楽器を弾いているとき、自分のサウンドの「どこ」をモニターしていますか?
エレキベースの音って、表情の変化があまりなく出音の種類も少ないように思えるかもしれません。でも、実は弾いている人が「音のどの部分を聞いているか」で、その人らしいサウンドの個性が生まれてくるんです。
「音のどこを聞いているか」で変わる個性?
「どこ」ってどこだ?と思いますよね。それは、単にドレミの音階やフレーズ、エフェクターの効果といった表面的なものではなく、もっと奥深い、細かい部分の話。
たとえば、同じ楽器を使って、同じ音を弾いていても、人によって音がまったく違うことってありますよね。これ、よく「体形や指の関節の違い」とかのせいにされがちなんですが、それだけじゃないんです。
本当に大事なのは、「自分が出した音の中のどこを聞きながら弾いているのか」だと。
いろんなプレイヤーと話をしていると、実はみんな聞いているポイントが全然違うんですよ!
倍音を「どう聞くか」でサウンドが変わる
ベースの構造上(ピックアップの位置やプリアンプの特性)、楽器ごとに拾う倍音の特徴や奏法による変化があるのは当然。それに加えて、演奏する音楽やフレーズによっても変わります。
でも、それだけじゃなくて、もっと「自分の音を深く聴く」ことを意識してみると、今まで気づかなかったものが見えてくるんです。
たとえば、E弦の開放をボーンと鳴らすとします。音程はE(ミ)ですが、実際にはウルトラローからハイまで、たくさんの倍音が含まれているんです。
「音をもっと細かく聴く」っていうのは、この中のどの周波数や倍音に自分の耳をフォーカスするか、ということなんです。
あなたはどこを「聴いている」?
たとえば、同じE弦の開放を鳴らしたときでも、聞く人によって注目するポイントはバラバラです。
ブンっ! と響く低音に耳を傾けるのか
ジャリっ! としたフレットの成分にフォーカスするのか
もっと低いモワッとした部分を聞いているのか
あるいは、長時間残る巻き線の倍音感を追いかけているのか
この違いがその人のサウンドの個性になり、その方のモニターしているサウンドです。
さらに言えば、単音でパキン!と弾いたとき、アタックからサスティン、エンベロープまで細かく聴いていくと、ローがどれくらい付いてきているか、ミッドはどう鳴っているか――そんな細部まで見えてきます。
こうした分析は、自分のタッチの強さや弾く位置、音量設定とEQの関係性をより深く理解する助けになります。

自分の「耳」を育てよう!
この「細かく聴く」という作業は、アンサンブルの中でも非常に役立ちます。
たとえば、アンサンブルでベースを目立たせたいときは、目立たせたい周波数を聴感上のトップに持ってきて、タッチや音量をそれに合わせて調整する。
こうやってEQとタッチを一体化させることで、音の幅が広がり、許容できるタッチの種類も増えていきます。
もっと言えば、これは「自分の耳」を育てる最高のトレーニングでもあります。
逆に考えると、いつもの自分のサウンドは、「いつも同じポイントをモニターしている結果」だと言えるかもしれません。
サウンドの可能性を広げるために
だからこそ、普段の練習や演奏の中で「自分はどこの音を聴いているのか」をもっと意識してみてください。これに気づくだけで、音作りの自由度が一気に広がります。そして、自分のサウンドを深く掘り下げていくことで、「これだ!」と思える音にもっと近づけるはずです。
サウンドの細部に耳を傾け、自分の音をもっと磨き上げていきましょう! その作業こそが、あなただけの唯一無二のサウンドを作り上げる鍵になるんです。
無暗やたらに、フレーズを弾く”だけ”の練習や16分音符を弾く”だけ”の練習ばかりしているとサウンドと耳が育ちません。
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