ディスクリート考
- fumisound
- 2023年1月28日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年10月3日
よく言われるのはオペアンプを使わずに個別半導体(FETやトランジスタ)で回路を組んでいくこと。

オペアンプはよく比較に出されてしまい同じような回路を組んだ場合はディスクリートの方が音が良いなんて言われますね。
主観としても確かにオペアンプICと音質や反応で比較した場合はそう感じます。
プリアンプしかり、ヘッドホンアンプ、マイクアンプ、パワーアンプ等はオペアンプで増幅率を稼ぎ、トランジスタで電流を稼ぐ形が多いでしょうか。
やはりプリ部がオペアンプICになっているものとディスクリートになっているものでは、音の鮮度が違うように感じます。
電源なんかもかなり変わりますね。
三端子レギュレーターやスイッチングアダプタも便利ですが、ディスクリート電源やトランス式のアダプタに変えるとまるで違って聞こえます。
ですが、ディスクリートであることの利点はそこではないと思ってます。
FumiSoundとしては内部でどうやって信号を増幅させ、目指している音質に対して如何にシンプルに構成し、その中でどうやって機能を持たせていくか。
コレができるのがやはりディスクリート。
増幅にともなう音質がオペアンプだとどうしても一定になってしまい、それ以上狙いたい方向に行けないんですね。
しかし電気的スペックはどうやってもオペアンプICにはかないません。
あの小さいモールドの中にあれだけの回路、特性、安定性を詰められるのはオペアンプICのすごさ。
有名な5532の等価回路図

同じものディスクリートで!なんて言われたらなんて返答していいのか分からなくなります笑
最近では高スペックのオペアンプも出てきていて音質的にもいい結果が出ているようです。
個人的にかなりの種類を色々な回路で試しましたが。。うーん。。。FumiSoundでは音声増幅部には今のところ使えないかなと思います。。。
電気的スペックが優れている方が音質いいんじゃないの?なんて疑問もある方いらっしゃると思います。
これは主観なってしまいますが、ある程度は影響するがスペックや回路図には出てこないところの方が重要と思います。
レアパーツ、オーディオグレードパーツ、音のいいトランジスタ、オペアンプICを贅沢に使用し、DCから500kHzまでフラットに増幅できて、増幅率も0-70dB可変、様々な波形応答も完璧、超低歪率!!だからといっていい音にはならないんですね。
どこまでいってもアナログであり、様々な要因、製作者の考え、設計法、制作方法で音質も変わっていきます。もちろんパーツや半導体、ハンダでも変わります。
実際に経験した話ですが、私の回路を別人が同じパーツで同じように半田付けし、組み立てまでやった場合でも厳密にいうと音が違うんですね。
電気的スペックは同じなのに聴感上片方はローが伸びて聞こえ、片方はバランスよく聞こえる。何台やっても同じ傾向になる。
AB比較して厳密にチェックしなければ分からない範囲ですが、いい経験になりました。
少々オカルトチックな話になってしまいますが、なぜかその人固有の音があります。
微細な半田づけ作業やその他もろもろが積み重なっていくんだと思います。
楽器もそうですし、料理だってそうです。同じもの使って同じようにやっても作るその人の色が出てしまうんだなと。
なのでFumi Soundなんですね。
今回はここまで。
次に回路の話をするときはもっと回路そのものやパーツに踏み込んでみたいと思います。
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